国連環境計画(UNEP)は、メキシコのカンクンで開催中の気候変動枠組条約第16回締約国会議(COP16)において、CO2排出量増加が海洋に及ぼす影響は、これまでの予測よりはるかに複雑で広範囲であるとする報告を発表した。同報告によると、海水に溶け込んだCO2量の増加により海水のpH値が低下(酸性化)し、海洋生物の成育に影響しており、例えばサンゴや貝類では、カルシウムから成る骨格形成が困難となっており、カニ類は酸性化と水温上昇により生育可能な水温域が減少しているという。また、筋肉の形成が止まり外骨格だけが成長するクモヒトデなど、さまざまな異変が生じている。海洋酸性化は、海藻などの光合成生物にとっては好条件であるが、全体として生態系が悪化する傾向にあり、海洋の食物網全体、ひいては海産物に依存する人間社会にも影響が及ぶ可能性があるという。同報告は、各国政府に対し、CO2の人為的排出量の削減、海洋酸性化の社会的・経済的影響の解明などを求めている。
情報源 | 国連環境計画(UNEP) プレスリリース |
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国・地域 | 国際機関 |
機関 | 国連環境計画(UNEP) |
分野 | 地球環境 自然環境 大気環境 水・土壌環境 環境総合 |
キーワード | CO2 | 生態系 | 国連環境計画 | UNEP | pH | 海洋酸性化 | 光合成 | COP16 | サンゴ | 海産物 |
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