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 京都大、藻類の光合成を支えるCO2濃縮システムを解明

発表日:2015.05.27


  京都大学は、水中に生息する藻類が持つ効率的な光合成に必須な二酸化炭素(CO2)濃縮システムを明らかにしたと発表した。光合成で生育する植物にとって必要なCO2を、細胞内に効率よく取り込むことは植物の生存に必須である。藻類は、水中のCO2欠乏環境でも光合成を維持して生存するために、細胞膜と葉緑体包膜の二つの障壁を乗り越えて、能動的に重炭酸イオンを取り込み、細胞内に濃縮することで光合成を維持している。しかし、その輸送を担っている分子の詳細は不明であった。今回、研究グループでは、淡水中や土壌に生息するミドリムシの一種である単細胞緑藻クラミドモナスを用いて、遺伝子の破壊や過剰発現をして光合成能力を調べ、重炭酸イオン輸送体の同定を試みた。その結果、細胞膜と葉緑体包膜に局在する二つの輸送体が協調して、重炭酸イオンを細胞の外から葉緑体内部に輸送・濃縮することで、光合成を維持していることを明らかにした。今回見つかった二つの重炭酸イオン輸送体からなるCO2濃縮システムは、高い光合成能を持つ藻類・植物の創出へ利用できると期待できるという。

情報源 京都大学 研究成果
機関 京都大学 京都大学大学院 生命科学研究科 微生物細胞機構学分野 研究室
分野 地球環境
キーワード 二酸化炭素 | 京都大学 | 藻類 | 光合成 | タンパク質 | 輸送体 | 葉緑体 | クラミドモナス | 細胞膜 | 重炭酸イオン
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