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 九州大、アルケンのヒドロシリル化用鉄・コバルト触媒を開発

発表日:2016.02.16


  九州大学は、シリコーン製造の鍵反応とされるアルケンのヒドロシリル化反応に活性を持つ、貴金属を含まない新触媒を開発したと発表した。シリコーンは、優れた性質を持つケイ素材料として、幅広い製品に利用されている。シリコーンの工業的製法の鍵反応として、白金触媒を用いるアルケンのヒドロシリル化反応があるが、白金は地球上の存在量が少ない貴金属であり、価格が高い上に、産地が偏在しているため、非貴金属で代替する触媒の開発が求められていた。今回開発した触媒は、鉄またはコバルトのカルボン酸塩と、炭素と窒素からなる化合物(イソシアニド)を混合しており、反応容器内で活性種を発生し、高い触媒効率で目的とするシリコーンの化学変換を達成する。鉄、コバルトのカルボン酸塩は、安価であるだけでなく、安定で取り扱いやすく、イソシアニドは安価な工業原料であるアミンから容易に合成することができる。今後は、平成28年2月より1年間、信越化学工業(株)との産学共同で触媒の本格的な実用化検討に入るという。

情報源 九州大学 プレスリリース(PDF:736KB)
科学技術振興機構(JST) 共同発表
機関 九州大学 信越化学工業(株) 科学技術振興機構(JST)
分野 地球環境
キーワード 白金 | 触媒 | 九州大学 | コバルト | 鉄 | 信越化学工業 | シリコーン | イソシアニド | アルケン
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