九州大学は、熊本大学との共同研究で、非貴金属分子触媒で水素の活性化に続く「酸素の活性化」に成功したと発表した。鉄を含む酵素の中でも、「酸素耐性ヒドロゲナーゼ」は、水素の活性化(水素から水素イオンと電子を生成:燃料電池のアノード反応に対応)と、酸素の活性化(酸素と水素イオンおよび電子から水を生成:燃料電池のカソード反応に対応)の両方を、貴金属元素を使用せず高効率で行うため、近年の燃料電池の発展とともに注目を集めている。今回研究グループでは、単核の高原子価(4価)の鉄に酸素が結合した化合物の単離に世界で初めて成功した。さらにその化合物が水素イオンおよび電子と反応して水を生成することを見出した。この反応は、燃料電池のカソード反応に対応したものである。この研究成果により、酸素耐性ヒドロゲナーゼの酸素活性化メカニズムの研究だけでなく、燃料電池のカソードにおける分子レベルでの酸素還元メカニズムの研究が飛躍的に前進した。今後、貴金属フリー分子燃料電池の開発が期待されるという。
情報源 |
九州大学 プレスリリース(PDF:396KB)
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機関 | 九州大学 熊本大学 |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 燃料電池 | 水素 | 白金 | 触媒 | 酸素 | 九州大学 | 貴金属 | ヒドロゲナーゼ | 熊本大学 |
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