大阪大学は、黒リン、金ナノ粒子の働きにより、可視光・近赤外光の光を吸収して、水素を生成することができる光触媒を開発した。この光触媒は、層状の黒リンとチタン酸ランタンの超薄膜、金ナノ粒子との3つ材料からなる複合体で、1)黒リンの紫外、可視、近赤外光領域における吸収、2)金ナノ粒子特有の可視光の吸収(表面プラズモン共鳴)、すなわち、それらの「光増感剤」としての働きにより、励起電子がチタン酸ランタンに移動し、プロトンの還元により水からの水素生成が起こることを明らかにした。水素社会の根幹となる太陽光による水素製造の実現、水素製造プロセスの省エネ化などへの貢献が期待される成果であるという。