(財)高輝度光科学研究センターとNECは共同で、大型放射光施設SPring-8を用いて水溶液中のナノ粒子の表面構造変化をリアルタイムで観測する手法を開発し、燃料電池の電極触媒の劣化メカニズムを原子レベルで明らかにすることに成功したと発表した。両者が開発した手法は、エネルギー分散型XAFSと高エネルギーX線回折法とを組み合わせたもので、化学反応が起こる触媒ナノ粒子の最表面の構造をミリ秒間隔で観測することができる。同手法を用いて、燃料電池の白金触媒の劣化現象を観測したところ、白金ナノ粒子の最表面の酸化層でα相からβ相へ体積膨張を伴う不可逆な結晶構造変化が起こっており、それが溶出劣化を引き起こしていることが明らかとなった。今回の研究成果は、燃料電池の運転モードや触媒材料の改良などによる、高い安定性・信頼性をもつ燃料電池の開発に貢献することが期待されるという。
情報源 |
(財)高輝度光科学研究センター プレスリリース
NEC プレスリリース |
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機関 | (財)高輝度光科学研究センター NEC |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 燃料電池 | 高輝度光科学研究センター | NEC | 日本電気 | SPring-8 | 高輝度放射光 | 電極触媒 | ナノ粒子 | 白金 |
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