国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と東京大学の共同研究グループは、北極海の窒素固定に係る調査研究プロジェクトの成果を発表した。海中の窒素固定を担っている微生物(シアノバクテリア等)は温暖な熱帯・亜熱帯海域に生息していることから、北極周辺の海洋における窒素固定の研究は進んでいなかった。今回、研究グループは、北極海西部チュクチ海の窒素固定生物群集などに係る調査結果(2015年9~10月、JAMSTEC海洋調査船使用)に基づき、同海域では1)広く窒素固定が行われており、窒素栄養塩(硝酸塩やアンモニウム塩)が乏しい水塊で重要な窒素供給源となっていること、2) 窒素固定生物は光に依存しない嫌気性細菌が主であり、シアノバクテリアはほとんど存在しないことを解明した。これらの成果は、北極海の中深層や冬期の極夜の時期でも窒素固定が行われている可能性を示唆するものであり、北極海の窒素循環に関する諸課題の解決の鍵となり得る成果であるという。
情報源 |
海洋研究開発機構(JAMSTEC) プレスリリース
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機関 | 海洋研究開発機構(JAMSTEC) |
分野 |
地球環境 |
キーワード | 海洋研究開発機構 | 東京大学 | 北極海 | 窒素循環 | シアノバクテリア | チュクチ海 | 海洋調査船 | 窒素栄養塩 | 窒素供給源 | 嫌気性細菌 |
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