沖縄科学技術大学院大学(OIST)などの国際研究チームは、シロアリの系統樹を再構築し、同種の進化に関する新しいシナリオを見出した。現在3,500種ほど報告されているシロアリは、家屋の木材などを食べるグループと、木材のほかに土を摂食したり、キノコや細菌を栽培して餌とするグループに大別されている。また、木材食のみのグループから多様な餌を摂食するグループに進化し、その過程において腸内に共生する微生物の構成が順次変化していったと推測されている。同研究チームは、世界中のシロアリ55種の遺伝子(4、065種類)を網羅的に解析し、高精度の系統樹推定に成功した。今回得られた系統樹から、腸内細菌と原生生物を持つ木材食のみグループから原生生物が失われ、腸内細菌のみを持つグループが登場し、その一部が数100万年の時を経てキノコや細菌などの微生物栽培できるように進化を遂げた、これまでの認識と異なるシナリオが想定され、「菌園」と呼ばれる構造体で細菌を栽培する種の系統的位置が明らかになったという。
情報源 |
沖縄科学技術大学院大学 NEWS
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機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
分野 |
自然環境 |
キーワード | 共生 | 進化 | シロアリ | 沖縄科学技術大学院大学 | 系統樹 | OIST | 微生物共生システム | 腸内細菌 | 原生生物 | 菌園 |
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