北海道大学と東京大学の研究グループは、オホーツク海の大陸棚堆積物に含まれている「鉄分」が北太平洋全域に拡がるメカニズムを解明した。同研究グループは、新たな学術領域「海洋混合学」の創設に向けた調査研究に取り組んでいる。これまで、西部北太平洋の物質循環・気候・生態系の統合的な観測に基づき、親潮の源流域から西部北太平洋に至る溶存鉄の分布を明らかにしてきた(Nishioka, J. and H. Obata, 2017)。今回、オホーツク海の大陸棚堆積物に由来する鉄分の水平輸送メカニズム解明に向けて、日本とロシアの学術研究船により、「鉄分」と鉄分を溶かす(錯体を形成する)働きを有する「腐植物質」の分布を調査した。その結果、オホーツク海の鉄は、腐植物質と錯体を形成し、北太平洋の中層(200〜800 m)の海洋水が大きな規模で循環する仕組みによって、少なくとも4,000km輸送され、亜熱帯海域にまで達していることが判明した。このような知見は、微量必須栄養塩である「鉄」の動態解明のみならず、日本近海の海洋生態系の気候変動影響の評価にも役立つという。
情報源 |
北海道大学 新着情報
東京大学 プレスリリース |
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機関 | 北海道大学 東京大学 |
分野 |
地球環境 自然環境 水・土壌環境 |
キーワード | 気候変動 | 東京大学 | 北海道大学 | 海洋生態系 | 北太平洋 | オホーツク海 | 腐植物質 | 鉄分 | 海洋混合学 | 亜熱帯海域 |
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