弘前大学、山形大学および長岡技術科学大学の研究グループは、従来の揮発性有機化合物(VOC)排出削減策のデメリットを克服し、多様な吸着・分離材料として利用できる結晶性材料を見出した。VOCは大気汚染防止法の規制対象となっており、発生源における排出抑制とともに、施設の煙突などで行う物理化学的な対策が実施されている。後者の代表的な技術として「活性炭吸着」が普及しているが、特定のVOCガスを吸着すると発火する可能性があり、吸着・分離(活性炭の再生)を行うにつれて吸着効率が低下するといった懸念が残されていた。同研究グループは、こうした課題を克服するための材料開発に向けて、「水素結合ネットワーク」というコンセプトに基づき、新たな結晶性材料を作製した。この材料を常温常圧下、空気中で極性のあるVOC(アセトン、酢酸エチルなど)の蒸気に曝したところ、各種VOCを吸着することが分かった。一方、減圧条件下で100℃に加熱すると再生できることや、再生を10回繰り返しても吸着能力が衰えないことも明らかになったという。
情報源 |
弘前大学 プレスリリース
山形大学 新着情報・プレスリリース |
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機関 | 弘前大学 山形大学 長岡技術科学大学 |
分野 |
大気環境 |
キーワード | 活性炭吸着 | 揮発性有機化合物 | 吸着 | 大気汚染防止法 | VOCガス | 水素結合 | アセトン | 酢酸エチル |
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