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 九大、昆虫の「浮遊分散」仮説を提唱

発表日:2020.06.25


  九州大学は、飛べない昆虫が海水に浮いたままの状態で数十日間生存できることを実験的に検証した。同大学は、海を隔てて分布する昆虫の分散メカニズムを解明するために、海浜や磯に生息する甲虫(海浜性甲虫)を実験室で海水に浮かべ、生存日数を確認するシンプルな実験を行った。その結果、供試した9種のうち3種で半数の個体が10日以上(最長26日間)浮遊したまま生存できることが分かった。海浜性甲虫は海を長期間浮遊し、海流に乗ってある程度の距離を移動する潜在的な能力を持つと推測される。このことから、自然災害によって流出した草木の筏で移動する定説(ラフティング)とは異なる分散方法の存在や、飛べない外来昆虫や農業害虫などの侵入経路の存在が明らかになった。今回の実験は自然を観察することで得られた素朴な疑問に端を発するものであり、学童の夏休みの自由研究でも扱える簡単なものであるという。

情報源 九州大学 研究成果
機関 九州大学
分野 自然環境
キーワード 九州大学 | 海流 | 昆虫 | 甲虫 | 農業害虫 | 外来昆虫 | 長距離移動 | ラフティング | 浮遊分散 | 自由研究
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