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 京大など、コウモリの亜種・別種を頭骨の形で見分ける手法を確立

発表日:2020.09.02


  京都大学および中・韓・匈の研究者グループは、東アジアからヨーロッパにかけて広く分布する「キクガラシコウモリ種群」の頭骨を詳細評価し、ニホンキクガシラコウモリ(R.nippon)がヨーロッパ集団とは異なる進化を遂げたことを裏付けた。ミトコンドリアDNAを用いた分子系統解析の成果により、キクガラシコウモリ種群の東アジア集団とヨーロッパ集団の間に大きな隔たりがあることが分かってきた。同グループは、同種群の適応進化の過程が、超音波の発声と受容などを担っているコウモリの頭骨の形状に反映されていることに着目し、国際的な共同研究体制を活かして、世界の頭骨標本(計230個体分)の地理的な変異を調査した。頭骨の実長測定、頭骨標本の画像データを用いた幾何学的形態計測、標本写真による非定量的な形質の定義・グループ分けを行った結果、生息地の違い(大陸または日本列島など)による部位の違いが明確になった。DNA解析一辺倒ではなく、遺伝子情報・形態の両面から支持された分類体系の構築が望まれるという。

情報源 京都大学 Topics
機関 京都大学
分野 自然環境
キーワード 東アジア | ヨーロッパ | 超音波 | 適応進化 | ミトコンドリアDNA | 亜種 | キクガラシコウモリ種群 | ニホンキクガシラコウモリ | R.nippon | 幾何学的形態計測
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