アメリカ海洋学者ら、光のない環境でスーパーオキシドを産生する微生物を発見
発表日:2013.05.02
強力な酸化作用を持つ有害物質スーパーオキシドを、日光の届かない海底等に住む微生物が多量に産生することを、アメリカのウッズホール海洋研究所等の科学者らが初めて発見した。これまで、環境中のスーパーオキシドの生成には光が関わると考えられ、その酸化作用の影響は、地球上の生息地のうち太陽光が届く5%ほどに限られるとされてきた。しかし、海洋や湖沼の底、土壌中など日光が乏しい生息地によくみられる微生物がスーパーオキシドを産生していることがわかり、その発生源が地球の95%の領域に拡大した。スーパーオキシドのような酸化物質は、酸素を利用する生物の体内で生成され、ガンや老化を促進するが、環境中にも存在し、海洋中ではサンゴを白化・死滅させ、赤潮の際には、魚の大量死の原因にもなる。しかし、海洋微生物の栄養摂取を助け、神経毒性のある鉛を海洋から除去して生物の鉛摂取を防ぐなどの役割も果たしている。研究を実施した科学者らはこれを、海洋や土壌、生息する生物の化学的作用についての従来の知見を大きく転換させる発見だとしている。
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