大気中CO2濃度の増加とともに樹木の水利用効率が向上、アメリカ国立科学財団の科学者らが報告
発表日:2013.07.10
アメリカ国立科学財団(NSF)の世界26カ所の長期生態研究(LTER)サイトの一つ、ハーバード森林サイトの科学者らの研究で、大気中CO2濃度の増加とともに、森林樹木の水利用効率がこの20年間、劇的に向上していることが明らかになった。植物は気孔を開いてCO2を取り込み、同時に水分を失う。大気中のCO2濃度が増すと植物が光合成の間に失う水の量が減り、水を効率的に使うようになるという予測は以前から示されていた。アメリカ内外で集めたデータを用いた今回の研究では、最新のコンピュータ予測値よりもはるかに水利用効率が高まっていることが判明した。データは、この森林サイトのほか世界約300カ所にあるエディ共分散法による測定機で集められたもので、20年以上にわたり連続して記録されたものも多く、大気中CO2濃度の変化に対する森林の応答を研究するうえで重要な情報源である。研究者らは今後、熱帯や北極圏のサイトのデータを用いて研究を進め、モデル改良や気候予測精度の向上につなげたいとしている。なお、結果は『ネイチャー』誌に報告される。
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