大量絶滅は生き残った種の進化を抑制、国際科学者チームが示唆
発表日:2013.08.15
大量絶滅後に生き残った種が必ずしも新たな進化の道を辿るとは限らないとの研究結果を、イギリス等の国際科学者チームが発表した。研究では、約2億5200万年前の二畳紀末期に起きた大量絶滅に対し、異歯類(哺乳類型の古代生物)がどのように応答したかを調査した。当時数多く生息していた異歯類は、体の大きさや生態適応が多様で、その多くが草食の陸生脊椎動物だった。同研究によると、異歯類の種数は二畳紀に増加、同末期の大量絶滅時に急激に減少したが生き残り、三畳紀中期には回復した。しかし、その歴史において解剖学的特徴の多様性は着実に減少した。大量絶滅後でさえ新たな特徴を進化させることはなく、遺伝的多様性の減少により進化が抑制されたことが分かった。これまで多くの研究者が、大量絶滅期の残存種は絶滅種が明け渡した生態空間に適応するため、解剖学的特徴を進化させると考えていた。しかし今回の研究で、残存種によっては応答が異なることが判明し、大量絶滅後の回復に関する予測の難しさが浮き彫りになった。人間活動に起因して起きている現在の種の絶滅に関しても、重要な示唆を与えるという。
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