イギリスの科学者ら、殺虫剤がハチの受粉サービスに及ぼす影響に関する研究成果を公表
発表日:2015.11.18
イギリス自然環境研究会議(NERC)等の助成を受けた研究チームは、ネオニコチノイド系殺虫剤がハチの提供する受粉サービスに及ぼす影響に関する研究成果を公表した。ハチはアブラナ、サヤインゲン、リンゴ等の重要な食用作物に不可欠な花粉媒介者だが、近年その個体数が減少している。これまで殺虫剤がハチ自体に及ぼす影響については研究されてきたが、ハチの受粉サービスに及ぼす影響には焦点が当てられていなかったという。こうした中、研究チームは、3グループのマルハナバチを使った実験を行い、2つのグループでは人工的な花蜜にネオニコチノイド系殺虫剤を加え、残りの1つでは同殺虫剤を加えないでハチに与えた。その結果、殺虫剤に曝露されたマルハナバチの巣では収集する花粉量が少なく、リンゴの花を訪れる回数も少なかったという。これにより、果実の品質にも関わる種子数が36%減少したという。研究チームは、この結果は殺虫剤が世界的に商品価値の高い作物にどのように悪影響を及ぼすかを示すものとしている。
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