泥炭地の植物の種類によって気温上昇時の温室効果ガス吸収量が異なるとする研究結果を、イギリスの研究チームが報告
発表日:2013.08.19
泥炭地では、植物の種類によって気温上昇時の植物の温室効果ガス(GHG)の吸収・排出量が異なり、気候変動に大きな影響を及ぼしうるとする研究結果を、イギリスのランカスター大学などの研究チームが報告した。このチームは、イングランド北部の高地にある泥炭地に温度と植物の構成を同時に操作できる実験施設を設けた。この施設を使い、温度を1℃上昇させたところ、ヒースがある生態系は温暖化により大気中CO2の吸収量を増すのに対し、ワタスゲがある生態系のCO2吸収力は減少し、土壌からのメタン放出量が増大したという。研究は、泥炭地の地中に貯蔵されている大量の炭素が、気候変動や土地利用の変化、それによる植物多様性の変化により放出される恐れがあることを明らかにした。さらに、植物の種類によって温暖化への反応が異なるため、GHG排出のコントロールには植物群落の構成も重要な役割を果たすことになる。研究者は、「地球規模の気候変動が炭素循環に及ぼす影響を考える際には、気候の変化と同等に植生の変化を考慮する必要がある」としている。
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