イギリス、海表面と大気圏低部に関する研究成果を公表
発表日:2010.03.23
イギリス自然環境研究会議(NERC)の支援で実施された、海表面と大気圏低部に関する研究プログラム(UK SOLAS)の成果が発表された。人間活動に起因する地球規模の変化は確実になりつつあるが、大気や海洋に関する知見には多くのギャップがある。この研究プログラムでは、(1)海洋によるCO2の吸収・放出に影響する、風や海表面の状態といった物理的要素の定量化、(2)海洋から大気への反応性微量ガス(メタンを破壊するなどの反応を起こし、気候に直接・間接的に影響しうる)の放出・吸収の過程の理解、(3)雲を形成して地球規模で気候に関与するジメチル硫化物(海洋プランクトンにより生成される)の重要性の測定、(4)海洋に届く砂漠の砂に含まれる鉄の重要性の解明、などの分野で進展が見られた。本プログラムの科学コーディネータ、フィル・ウィリアムソン博士は「海洋は気候システムにおいて重要な役割を果たしている」と指摘し、「海洋は大気の1000倍熱を蓄えるだけでなく、温室効果ガスの濃度や雲の形成に強い影響を与えている」とコメントしている。