米英の科学者ら、食糧増産と環境保全を両立させるため、従来型窒素肥料に代わり大気中窒素を利用する研究プロジェクト実施へ
発表日:2013.08.21
世界の食糧需要増大を見据え、環境汚染とエネルギー消費を低減しつつ食糧を増産するため、米英の科学者らが、従来型肥料に代わり大気中の窒素を利用する研究プロジェクトを実施する。植物の成長には窒素が必要で、農地には大量の人工窒素肥料が投入されている。しかし、窒素肥料は高価で、製造に大量のエネルギーが消費されるうえ、土壌の劣化・流出、河川や沿岸の水質汚染を引き起こす。このため、肥料に頼らず、農作物自体が大気中に豊富に存在する窒素を利用できるようにする方法が求められており、アメリカ国立科学財団(NSF)とイギリスのバイオテクノロジー・生物科学研究会議は、1200万ドル超の研究費を供与して、4件の学際的研究プロジェクトを支援する。各プロジェクトはそれぞれ、1)合成生物学を用いた、植物内部で機能する人工的窒素固定器官の開発、2)酸素を含む空気中での窒素固定が可能な細菌の再探索、3)窒素を固定する微生物と植物の共生関係の人工的構築、4)藍藻の研究を通じた、光合成細胞における窒素固定の条件確認、に取り組む。
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