アメリカの科学者ら、アメリカで降水量の増加によって水質が悪化すると予測
発表日:2017.07.27
アメリカの科学者らは、アメリカで気候変動に伴う降水量の増加によって水域の窒素汚染が深刻化することを示す研究成果を発表した。雨水は農業や化石燃料燃焼などの人間活動に起因する栄養塩を河川や湖沼に運び、富栄養化を引き起こす。科学者らは先行する研究で、窒素供給量は土地利用と土地管理によって変化する一方、陸地から水域への年間の窒素流出量を決める主要因は降水量であることを明らかにしていた。今回の研究では、気候変動に伴う降水量の変化と窒素流出の関係を、3つのシナリオを想定して21のモデルで分析した。それによると、温室効果ガス排出量の増加が特段の対策のない自然体ケースの場合、気候変動によってアメリカの降水パターンが変化し、21世紀末までに窒素汚染が5分の1増加することが分かり、この影響は特に北東部のトウモロコシ栽培地域で強くなる。また、水域に流出する窒素の増加分を相殺するには、肥料使用等の窒素の発生を3分の1削減する必要があるという。インド、中国、東南アジアでも降水量の増加によって窒素汚染が大幅に増加する可能性があるとしている。
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