南極海が地球の気候システムで果たす役割の解明に向け、プリンストン大学等が研究に着手
発表日:2014.09.09
アメリカ国立科学財団(NSF)は、プリンストン大学を中心とした研究チームが、地球の気候系において南極海が果たす役割を解明するため、6年にわたる研究を開始すると発表した。これは、「南極海炭素気候観測モデリングプログラム(SOCCOM)」とよばれ、アメリカの11の研究機関が参加する。南極大陸を囲む南極海は、世界の海洋面積の30%を占め、人間が放出する二酸化炭素のおよそ半分を吸収しているという。南極大陸の周囲を巡る海流が全南半球の大気と関わり、地球の気候調節にも主要な役割を果たすとされるが、これまであまり観測されていなかった。今回の研究では、南極海の生物地球化学的・物理的特性をとらえるセンサーを搭載した約200台の観測用フロートを投下し、南極海の表層・深層の炭素、栄養(特に硝酸塩)、酸素の濃度情報をほぼ連続的に収集する。フロートによって、これまでモデル等で示唆されてきた南極海の役割についての直接の観測データが大量にもたらされ、今後の予測に役立てられるという。
▲ページ先頭へ
新着情報メール配信サービス
RSS