欧州環境庁、欧州の生態系はかつて以上に深刻な脅威に直面していると報告
発表日:2016.02.22
欧州環境庁(EEA)は、欧州の生態系の状態をマッピングおよび評価した報告書を公表した。それによると、汚染の増加、資源の過剰利用、都市の無秩序な拡大、気候変動の影響により、生態系は健全な状態を維持するのがますます困難になっているという。EEAは、生態系を、都市部、耕地、草原、低木地、森林、湿地、淡水、海洋の8種類に分類し、各生態系への負荷や課題、生息地と生物種への影響を評価した。その結果、低木地、湿地、淡水などの最も影響を受けやすい生態系は一部の国に集中しており、そのために環境変化に脆弱となりうることなどが示されたという。また、特にデータや知見が不足している領域として、1)都市部と海洋生態系のデータ、2)生物多様性への影響をマッピングするのに必要な詳細な空間データ、3)複数の負荷の複合的影響の理解、4)生態系の状態・生物多様性・生態系サービスの関係に関する理解、があり、これらの不足の解消が必要だという。なお、この報告書は2020年までのEU生物多様性戦略の中期レビューに寄与するために作成された。