欧州環境庁、欧州における淡水使用の持続可能性を分析
発表日:2016.03.24
欧州環境庁(EEA)は、欧州における淡水資源の使用状況を分析し、欧州全体では豊かな淡水資源を有しているものの、人口密集地域や農業・観光業などで水需要の高い地域では水不足や干ばつに悩まされていることを明らかにした。再生可能な淡水資源に対する総使用水量の割合を表す「水利用率プラス(WEI+)」という指標を用いて分析したところ、地中海地域を中心に約20の河川流域でWEI>20%となり、水の持続可能性に構造的な問題があることが判明したという。水不足の主因は都市部の人口増と生活水準の向上で、これに汚染と干ばつによる利用可能水量の減少がからむ。特に夏季の状況が悪く、冬季には欧州総人口の約6%、夏季には同14%が水不足のなかで生活しているとみられる。部門別水使用量は、1位が農業で水の36%を使用し、うち地中海地域が約75%を占める。2位は公共水道の32%、3位が観光業などのサービス部門(11%)となっており、特に地中海の島々は住民の10~15倍もの観光客を受け入れるため、深刻な水不足に見舞われているという。
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