欧州環境庁、水管理に関する3指令のレビューを実施し、水質改善の状況と課題を報告
発表日:2016.11.30
欧州環境庁(EEA)は、水遊びに適した水指令、飲料水に関する指令、都市の廃水処理に関する指令の総合レビューを実施し、EUでは全般的に水質改善が進んでいるが、いくつかの課題があると報告した。報告書「欧州の水政策と人の健康」によると、最低限の水質基準を満たした水浴場は2015年に96.1%に増加し、飲料水基準の適合率は2011~13年で98.5%を達成するなど、水質の改善が続いている。しかし、廃水処理施設、農業排水、雨水流出などに由来する窒素やリンによる汚染は依然続いているほか、美容・健康用品に含まれるマイクロプラスチックや薬剤耐性微生物がもたらす新たなリスクについては、さらに理解を深める必要があるという。報告書は、こうした課題への対応に、水枠組み指令を含めたEU水管理法令の統合推進が有効だとする。欧州では、飲料水の約50%を地下水、約40%を表流水、約10%を人工涵養地下水や堤防ろ過水から採水しており、水利用者を守るために質の良い水の確保と安全な供給が今後も重要だという。
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