国連環境計画の科学者ら、世界の陸域の半分を自然保護区とする目標に沿って、陸域をエコリージョン別に分析、国際条約が必要と報告
発表日:2017.04.14
国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC)などの科学者らは、「生物種の絶滅の危機を食い止め、人間の生活を維持するためには、2050年までに陸域の半分を保護する必要がある」という専門家らの指摘のもと、世界の陸域の保全状況をエコリージョンに分けて詳しく分析した。分析によると、846のエコリージョンのうち、領域の半分が保全されているのはアマゾンの熱帯雨林やアラスカの一部など98地域にすぎない。313地域は領域の半分の保全を達成可能な圏内にあるが、207地域は危機的状態で自然の生息地は平均4%しか残っていない。世界の陸域の半分を保護するという目標は、生息地の保護と回復、保全戦略の改善、地域および先住民の社会のエンパワーメントによって実現可能だが、これにはパリ協定のような国際条約が求められるという。また、保全のために地域社会を犠牲にする必要はなく、ナミビアやネパール、ブータンでは地域社会が保全と生息地管理を主導し、利益を得ているという。
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