欧州環境庁、EU加盟国の多くは大気汚染物質の排出上限の遵守に困難を抱えていると報告
発表日:2017.07.03
欧州環境庁(EEA)は、EU加盟国の大気汚染基準の遵守状況に関する2015年の速報データを公表した。対象の大気汚染物質は、窒素酸化物(NOx)、非メタン揮発性有機化合物(NMVOC)、二酸化硫黄(SO2)、アンモニア(NH3)、微小粒子状物質(PM2.5)で、公表内容は、2016年12月に発効した新たな国別排出上限指令(NEC指令)のもとで加盟国が初めて報告を行ったデータ(調整前)に基づく。加えて今回は、各国の排出削減目標に照らし合わせた2020年と2030年の予測排出量についても評価した。公表されたデータによると2015年は、1)農業及び運輸部門を主因として、11カ国が国別排出上限を超過。2)NOx、NMVOC、NH3に限ると、6カ国が排出上限を超過。3)現行政策の延長で2020年の目標達成が困難な国は18カ国、2030年の目標達成が困難な物質が1種類でもある国は22カ国。4)EU全体でみると、NMVOC、SO2、PM2.5に関しては2020年の排出上限をすでに下回っており、大幅な削減が必要となるのはNOxのみ。2030年の目標を達成するためには全ての物質で一層の排出削減が必要となる。
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