欧州環境庁、長距離越境大気汚染条約が定める汚染物質排出量は減少傾向にあるが、一部は未だ排出上限値を超過と報告
発表日:2015.07.02
欧州環境庁(EEA)は、長距離越境大気汚染条約に基づき発表している、EUの排出インベントリ報告書(1990~2013)で、2013年には大部分の大気汚染物質の排出量は減少したものの、多くのEU加盟国が未だ排出上限値を超過していることを明らかにした。同条約のヨーテボリ議定書では、窒素酸化物(NOx)、非メタン揮発性有機化合物(NMVOC)、硫黄酸化物(SOx)、アンモニア(NH3)の4物質について、2010年までに達成すべき排出上限値を定めている。報告書によると、1990年~2013年で排出量自体は減少し、EU全体でSOxが最も減少し87%減、NMVOCが59%減、NOxは54%減、NH3は27%減となった。ただし、2013年時点でEU加盟国のうち8か国が未だ1物質において上限値を超過しており、オーストリア、アイルランド、ドイツは2物質において超過していた。また、排出量の減少率は過去10年間で減速したという。今回の報告書では、重要な短寿命気候強制力因子である黒色炭素(BC)排出についても初めて報告した。
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