野生生物の国際取引が生態系と人の健康を脅かすおそれ
発表日:2009.04.29
アメリカ国内に輸入される野生動物について、規制が不十分で、生態系や固有種、人の健康等に著しい影響をもたらすおそれがあるという論文がサイエンス誌に掲載された。これは、アメリカ野生生物トラスト、ブラウン大学、アメリカ疾病予防管理センター等の科学者チームによるもの。論文によると、2000年から6年間で、アメリカには15億匹以上の生きた動物が輸入されている。これらの動物は世界190カ国から集められ、主にペットとして販売目的で輸入された。しかし、動物の入った積荷の86%以上で種レベルの分類が明記されておらず、輸入動物の多様性の評価、外来種の移入や病気の伝染の予測は不可能だという。研究チームは「病原菌汚染」のリスクを減らす対策を呼びかけ、ヒトや動物、生態系の健全性を守るガイドラインを提唱。また、輸入動物のリスクについて情報提供するための記録の強化、海外の輸出地点で既知・未知の病原菌を検査する第三者的な監視・検査機関の設立、野生生物に起因する病気の危険性等に関する教育を行なうよう勧告する。
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