世界気象機関、2016年の大気中CO2濃度は過去最高の403.3ppmに達したと報告
発表日:2017.10.30
世界気象機関(WMO)は2017年版「温室効果ガス(GHG)年報」で、2016年の大気中のCO2濃度(世界平均)は2015年の400.00ppmから過去最高の403.3ppmに増加し、工業化(1750年)以前の水準の145%に達したと報じた。人間活動とエルニーニョの複合的影響が原因だという。過去70年間のCO2濃度の増加率は最終氷河期末の約100倍と、過去に例をみない急激な濃度上昇が起きている。長寿命GHGの中でCO2に次いで放射強制力(気候への温暖化効果)の高いメタンと一酸化二窒素についても2016年の大気中濃度は過去最高を記録し、それぞれ約1853ppb(工業化前の257%)と328.9ppb(工業化前の122%)になったことが分かった。長寿命GHG全体の放射強制力は1990年以降40%増加しているが、2015年から2016年の1年間だけでも2.5%の増加がみられた。WMOは、これらを発端として気候システムが未曾有の変化を起こし、ひいては生態系や経済に壊滅的な打撃を与えかねないと警鐘を鳴らしている。
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