世界保健機関、9割以上の子供が有害な大気汚染に曝されていると報告
発表日:2018.10.29
世界保健機関(WHO)は、「大気汚染と子供の健康に関する報告書」の中で、世界中で15歳未満の子供の93%(18億人)がWHOの微小粒子状物質(PM2.5)大気質基準を上回る場所で生活しており、2016年には推計60万人の子供が大気汚染に起因する呼吸器疾患で死亡した、と報告した。同報告書によると、低・中所得国では5歳未満の子供の98%、高所得国では同52%が、WHOのPM2.5基準を超える場所で生活している。低・中所得国では、呼吸器疾患にかかった5歳未満の子供のうち半数以上は大気汚染が原因であった。また、有害な燃料等による調理・暖房を主因として、15歳未満の子供10億人を含む世界人口の4割以上が家庭内で高濃度の汚染下にあること等も示された。アダノムWHO事務局長によれば、子供は呼吸数や身長等の関係で汚染物質を吸い込みやすく、発達途上の脳や身体はこの影響を受けやすい。WHOは、化石燃料依存度の低下や省エネ策への投資、廃棄物管理の改善など、大気汚染から子供を守るための取組を各国に求めている。