国立科学財団、タイヤに関連する化学物質が都市部の河川でのサケの主な死亡原因と報告
発表日:2020.12.08
国立科学財団(NSF)が助成した研究によると、ワシントン州ピュージェット湾の都市部の河川に戻ってくるコーホーサーモン(ギンザケ)の半数以上が産卵前に死んでしまうが、その主な原因はタイヤの摩耗粒子から浸出する化学物質の混合物であったことが明らかになった。同研究結果は「サイエンス」誌に掲載された。大雨の後は海から戻って川を遡るギンザケが死ぬことが多かったが、雨水が道路上の劣化したタイヤ粒子を近隣の河川に流入させていると考えれば、その理由が説明できる。当初は、どの化学物質の毒性が強いかわからなかったため、2,000種類の化学物質を混ぜ合わせたものから調査を始めて、タイヤの劣化を防ぐために添加する化学物質の分子が強い毒性を有していたことを突き止めた。同研究は、ゴムやプラスチックのような製品の環境への影響だけでなく、元の素材に含まれる他の多くの化学物質の毒性についてもリスクを確認する必要があることを示す。
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