イギリス自然環境研究会議、陸地の氷の融解が海面に与える影響に関する新たな研究結果を報告
発表日:2021.05.05
イギリス自然環境研究会議(NERC)が助成した研究によると、温暖化による気温の上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標を達成すれば、氷の融解による海面上昇は今世紀中に半減する可能性があるとわかった。同研究において、世界の氷河、グリーンランドの氷床、南極の氷床が融解することに伴って生じる海面上昇への影響を調査したところ、温室効果ガスの排出を止めたとしても世界の海面水位は上昇し続けるが、その悪影響が抑制できる可能性があるとわかった。排出量削減が極めて野心的であれば、2100年における氷の融解による海面上昇の予測の中央値は25cmから13cmに減少し、現在の予測では40cmの上昇となっている最大値が、95%の確率で28cm以下となり、沿岸部の洪水の増加が抑制される。現在、世界の海面上昇の約半分は氷河と氷床の融解が原因であり、残りの大部分は温暖化による海洋の膨張が原因であると考えられている。
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