中国科学院、地球温暖化により「第三の極地」で鉄砲水の危険性が増加すると報告
発表日:2021.05.08
中国科学院(CAS)とジュネーブ大学の研究者を中心とする国際チームは、地球の「第三の極地」とも呼ばれるヒマラヤ山脈とチベット高原およびその周辺では、地球温暖化に伴って鉄砲水が3倍に増加する可能性があることを報告した。同地域では、現在、氷河の融解が急速に進み、氷河湖が急速に拡大・形成されている。ダムの決壊や越水によってこれらの氷河湖から水が突然放出されると、氷河湖決壊洪水が発生して下流の地域に深刻な被害をもたらすが、このような現象が、いつ、どこで発生するかを把握できていなかった。今回の研究では、急速に後退する氷河の前面にできる新しい氷河湖に伴うリスクに注目し、衛星画像と地形モデルを用いて、同地域に存在する約7,000の氷河湖のリスクを明らかにした。その結果、現在の氷河湖の6つに1つ(1,203個)が、下流の地域に対して高いリスクをもたらしており、ヒマラヤ東部および中部地域に該当する、中国、インド、ネパール、ブータンでは、特にリスクが高いことがわかった。
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