世界気象機関、海氷面積減少の記録更新を報告
発表日:2023.02.09
世界気象機関(WMO)は、北極と南極を合わせた海氷面積は、2023年、1月としては過去最小となったとの、欧州とアメリカの機関による調査結果を報告した。世界平均の2倍以上の速度で温暖化が進んでいる北極の海氷は劇的に後退していて、2023年1月は1979年以降、ドイツの約2倍の面積を失った。一方、同年、南極周辺の海氷の総面積は1月の最小記録を更新した。これは、2022年、南極大陸の海氷面積が全体的に小さく、その影響で冬の間にできた新しい海氷が壊れやすく、溶けやすくなっているためである。これでは、北極で見られるように、海氷がすぐに回復しにくいという悪循環に陥ってしまう。ただし、南極の海氷が減少し続けているのか、単に天候の長期的な自然変動によるものなのか結論を出すには時期尚早である。しかしながら、南極における海氷面積の減少は地球の気温上昇による影響を予測するもので、いずれにせよ今後数年間、北極と南極の海氷の現象を、注意深く見守る必要があることは間違いない。
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