中国、原生のフルンボイル草原で砂漠化が進行
発表日:2010.05.24
内モンゴル自治区北東部のフルンボイル高原にある原生草原で砂漠化が進行していると、現地の農業畜産担当官が警告している。フルンボイル草原は、かつては世界有数の原生草原と言われ、中国の四大砂地のひとつでもあるが、今や四大砂地のうちで砂漠化が食い止められていないのはここだけであり、2010年の調査では、草地が920万ヘクタールにまで減少し、砂地面積が130万ヘクタールに達している(1994年比で11万ヘクタール増加)。砂地は砂漠とは違い、十分な降雨があれば自然に緑地に戻る可能性があるが、フルンボイル草原ではこの10年の間に、過放牧、農耕、深刻な干ばつ等の極端な気象現象で草地面積が減少したという。以前は草地面積が広いために砂漠化の拡大に関心が寄せられず、2005年以降、ようやく真剣な砂漠化対策が始まった。毎年砂地の処理が行われ、環境修復を促すために部分的だが放牧が禁止されている。政府はフルンボイルの砂漠化対策予算を増額して緑化を進め、3~5年のうちに砂漠化に歯止めをかけたいとしている。なお、内モンゴルは面積の40%以上、4770万ヘクタールが砂漠ないし砂地だが、この面積は、2004年以降の砂漠化対策によって600万ヘクタール減少した数字だという。