中国、大連の石油流出事故で石油を食べる微生物を利用
発表日:2010.07.21
2010年7月16日に大連市の石油備蓄基地付近で発生したパイプライン爆発事故で、流出した石油を除去するため、石油を食べる微生物が大量に投入される。この微生物は、海上安全監督局が北京のバイオテクノロジー会社から調達したもので、中国科学院微生物研究所のウー・ジン博士は、「石油を食べる微生物は石油分散剤と違って連続して効果が得られ、しかも環境負荷が少ない」としている。中国が環境汚染問題の解決にバイオテクノロジーを本格的に利用するのは今回が初めてで、微生物の投入量は23トンを超える。現地では、石油回収船24隻と漁船800隻を使って、同月19日朝までに約460トンの石油を回収し、化学的な分散剤の散布や、物理的に石油拡散を防ぐオイルフェンスの設置を行っているものの、雨風の影響で今後状況が悪化する恐れがあり、また海面に浮かぶ原油の層が厚い場合は、分散剤では効果が上がらない可能性があるという。ウー・ジン博士は、「早期に石油を除去する最善策は、物理的、化学的、生物学的な方法を組み合わせること」とコメントしている。
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