EU、域内で深刻化する水不足と干ばつの現状と見通しに関する報告書を公表
発表日:2011.03.21
欧州委員会は、EU加盟各国における水不足と干ばつへの対応状況に関する報告書を公表した。EUでは、持続可能でない水利用のために、複数の地域で水の需要と供給のバランスが危機的なレベルに達しており、この傾向は気候変動の進展に伴ってさらに悪化すると予想されている。報告書では、水料金の設定、水管理ツールの改良、節水、及び水利用の効率向上策など、加盟各国がすでに導入した政策を紹介するとともに、建物の水効率向上の法制化、違法取水対策、配水網からの漏水対策等、いっそうの対策が必要な分野を浮き彫りにしている。この報告書は、2012年に予定されるヨーロッパの対渇水政策の大幅見直しに向けて作成された。この見直しの柱となるのは水利用の効率化対策とみられ、農業と都市環境における水利用の効率化、河川流域管理計画、部門別政策での渇水問題への取り組み、水料金の設定や水の配分といった対策の導入が検討される。また、人間活動と自然生態系との持続可能なバランスを保つことを目指し、EUの過大な水利用そのものにも対策をとるという。
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