イギリス、初の生態系サービスの価値評価により、自然がもたらす利益は数十億ポンドと報告
発表日:2011.06.03
イギリスで、生態系がもたらす健康・社会的価値を評価する初の取組「全英生態系評価」(UK NEA)が行われ、生態系のもたらす利益は数十億ポンドに相当するとの結果が公表された。UK NEAは、同国内の生態系を、海洋、森林、湿地など8類型に分け、それぞれが人間に提供している金銭的・非金銭的サービス全体を評価した。その結果、たとえば、緑のある生活がもたらす健康上の利益は一人あたり年300ポンド、昆虫など受粉媒介者が農業にもたらす利益は年4億3000万ポンド、内陸湿地の水浄化作用による利益は年15億ポンドに相当することがわかった。しかし、経済活動の影響等により、生態系サービスの30%以上が減少傾向にあるという。同国の複数政府機関による共同プログラム「環境変化と共に生きる」代表で、報告書をまとめたワトキンソン教授は、今後の気候変動の影響も考慮すると、できるかぎり生態系の回復力を確保することが重要であると述べた。環境・農業・農村地域省のスペルマン大臣は、評価結果は近々発行される『自然環境白書』の方向付けに大きな役割を果たしたと述べた。
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