海洋生物の大量絶滅を回避するよう世界資源研究所が呼びかけ
発表日:2011.06.22
海洋専門家らによる「海洋の現状に関する国際プログラム」(IPSO)が2011年6月21日、「人類史上例のない海洋生物種の絶滅期に入るリスクが高い」と発表した。この原因には、汚染、乱獲、海水温上昇、酸性化、貧酸素等、ストレス要因が複合的に影響しているが、こうした複合的なストレスの状況は、過去の地球史上で起きた生物の大量絶滅の条件でもあったという。この報告を受け、過去30年間海洋環境の問題に取り組んできた世界資源研究所(WRI)も、海洋の危機を警告している。WRIによれば、既に世界のサンゴ礁の75%が危機にあり、乱獲や破壊的な漁法、汚染、海洋酸性化などの脅威が減らない限り、2050年までには世界のサンゴ礁全体が脅威にさらされるという。また、海洋生物を脅かす貧酸素・富栄養化海域は、過去60年で1800%も増加したという。IPSOのいう大量絶滅が回避できるかどうかは、各地域での持続可能な産業(水産・観光等)の推進や、政策による規制や経済的インセンティブの付与、気候変動の問題に対する国際的な合意等が必要であるとして、WRIは対策の強化を促している。
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