世界資源研究所、アメリカ国家気候評価(第3次)により空前の温暖化傾向を指摘
発表日:2013.01.11
世界資源研究所(WRI)は、アメリカ地球変動研究プログラム(USGCRP)が草案の形で公表した「第3次国家気候評価」(NCA)報告を受け、「気候変動の抑制のための行動はまだ間に合うが、政策的・地球物理学的プロセスに時間がかかることを考慮すれば、残された時間は限られている」と警告した。NCA報告では、世界的に2000年からの10年間の気温が過去2000年で最も高かったこと、21世紀末までにさらなる気温上昇が予測されること、世界の気温上昇を2℃までに抑えることはまだ可能だが、それには炭素汚染削減のための「迅速で相当な」取組が必要なこと等が明らかにされた。今回のNCA報告は、2012年がアメリカで観測史上最も暑い年だったとする同国海洋大気庁の発表に続くもの。アメリカは高温による作物被害や干ばつなど、既に気候変動から打撃を受けている。WRIは、「二期目を迎えたオバマ政権には気候変動対策での偉業を残すチャンスがあり、今こそ、発電所への新基準採用等、低炭素社会への移行を進める時だ」としている。