アメリカ海洋大気庁、メキシコ湾原油流出事故で放出されたブラックカーボンは100万ポンド以上と発表
発表日:2011.09.20
アメリカ海洋大気庁は、メキシコ湾原油流出事故の原油の燃焼処理によって、100万ポンド(450トン)以上のブラックカーボン(煤)が、メキシコ湾上空に放出されたとの研究結果を発表した。これは、メキシコ湾を往来する全船舶から9週間で通常排出される量とほぼ同じで、船舶等よりさらに上空へと放出されており、長時間大気中に留まる可能性が高いという。ブラックカーボンは、最も光を吸収する大気汚染粒子で、温暖化の一因とされており、長期間の吸引は人体への影響を及ぼす。今回の研究で、燃焼させた原油質量の4%がブラックカーボンとして放出され、その粒子の平均的な大きさは、他の排出源のものより大きいこと、また他の粒子も発生する森林火災などと異なり、ほとんどの粒子がブラックカーボンだったことがわかったという。なお、ブラックカーボン粒子の大きさや成分は大気から除去される速さを決定し、大きい粒子のほうがより早く除去されるため、気候への影響は小さいとされる。今回の貴重な研究結果は、人体への影響評価や今後の対策決定に役立つという。
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