エアロゾルの増加が干ばつと洪水の悪化を招くと、アメリカの大気科学者らが発表
発表日:2011.11.14
アメリカの大気科学者らは、大気中のエアロゾル(煤、粉塵、硝酸塩などの粒子状物質)の増加が、雲の発達や降雨へ及ぼす影響を実証する研究結果を発表した。エアロゾルは、化石燃料の燃焼や森林火災等によって発生し、大気汚染の原因となるだけでなく、気候にも影響を及ぼすとされている。今回の研究では、10年間の大気観測データを用いて、エアロゾルが雲の高さと厚さに与える長期的な影響と、それに伴う降雨の頻度と強度の変化を明らかにした。それによると、エアロゾルの増加が降雨の変動性を高め、降雨量が少ない場合はさらに少なく、多い場合はさらに激しくなり、干ばつと洪水の悪化を招くという。エアロゾルは地表温度を変化させるとともに、エアロゾルが核となって水滴や氷粒子を形成することで、雲の特性や降雨に影響を与える。様々なプロセスが関わるため、エアロゾルが気候に与える影響は複雑で、そのメカニズムには依然として不確かな部分がある。しかし、研究者らは、今回の研究によってエアロゾルによる影響の重大性が実証されたとしている。
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