気候変動の影響でロッキー山脈における開花期間が長期化、アメリカの生態学者等が発表
発表日:2014.03.18
アメリカの生態学者等の研究チームは、ロッキー山脈の高山植物の開花期間が気候変動の影響で長期化しているとの研究結果を米国科学アカデミー紀要に発表した。同チームは、過去39年間にわたる研究で200万個以上の花数を含むデータを収集し、そのうちの一般的な60種を分析した。この結果、10年ごとに開花開始は6日、満開期は5日早まり、開花終了は3日遅くなっていることがわかった。かつて5月下旬から9月上旬だった開花期間は、4月下旬から9月下旬へと変化したという。また、開花パターンはより複雑化し、同時期に開花する種の組み合わせも変化しているため、花粉媒介昆虫や渡り鳥に長期的な影響を及ぼす可能性もある。研究者等は、気候変動が動植物に及ぼす全体的な影響を理解するためには、従来の研究で調査対象となっていた開花開始日が必ずしも最良の判断材料とは限らないとし、花数の変化など季節の事象のタイミングを研究する生物季節学が不可欠だと指摘した。今後は、開花期間の変化による動植物の相互作用など、さらなる研究が必要だとしている。