アメリカ古気候学者ら、中新世における地球の気候と大気中CO2濃度の相関性は低いとの研究結果を報告
発表日:2012.06.06
アメリカの古気候学者らは、地球の気候と大気中CO2濃度との相関性は、中新世(1200万年から500万年前)では低く、その後高まったとする研究結果を発表した。研究チームは、堆積物コアから採取したプランクトンの化石によって、中新世後期の太平洋の海面温度の再現に成功。これによると、当時の北太平洋の水温は現在より高いにもかかわらず、大気中CO2濃度は、産業革命以前の値に近い、低い状態だったことがわかった。研究者らによると、当時は海洋循環パターンが現在と異なり、水温躍層(水温が急に変化する深さ)が現在より深く、大気中の水蒸気などが温暖な気候の維持に寄与していた可能性があるという。そして、鮮新世(500万年前)初期までに、世界の水系や大陸がほぼ現在の位置に移動し、これにより海洋循環のパターンも変化し、寒冷化や水温躍層の上昇、北半球の氷床の拡大などが起きたという。研究チームは、今回の研究によって、海洋循環の重要性とともに、今後の気候予測における古気候の活用に関して理解が深まったとしている。
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