欧州環境局、水資源保全のため、水資源管理と国土計画の統合の必要性を指摘
発表日:2012.08.24
欧州環境局(EEA)は、政治・行政上の境界をまたぐ水域(河川流域や湖など)において生じる水資源管理問題に関し、国土計画と水管理をより密接に統合する必要性を指摘した報告書「欧州における地域結束と水管理:空間的視点」を発表した。河川流域の境界と行政上の境界は異なることが多く、国土計画と水管理との不整合が生じている。EUの水枠組み指令はこの問題も考慮し、河川流域管理計画により対策を実施しているが、流域管理のコスト・利益を巡って地域間に不公平が生じているのが現状である。欧州の多くの水域は、観光や農工業、電力などの多様な水需要の圧力を受けている。自然界も水を必要とし、経済を支える生態系サービス(浄水や土壌保水、食料生産など)に水は不可欠である。EEAは、流域の水管理と国土計画を統合すれば、こうした人間の直接・間接的需要をより適切に評価できると指摘。さらに、欧州の内陸地表水が多くの生物種の生息や繁殖、摂食などの場であることから、人間だけでなく野生生物についての考慮も重要だとしている。
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