欧州環境局、大気汚染は大幅に改善したものの生態系には依然として有害と報告
発表日:2014.06.30
欧州環境局(EEA)は、新たに2つの報告書を発行し、窒素酸化物など大気汚染物質排出による生態系への被害は過去20年間で減少したが、今もなお続いていることを明らかにした。1つ目の報告書「欧州の生態系への大気汚染の影響」は、安全な水準を超えて窒素・硫黄を含む汚染物質に曝露している欧州の生態系の割合を評価した。それによると、1970年代にEU各国で森林減少や魚類の死滅を招いた酸性雨は、1980年のピーク時にはEU加盟28か国中の脆弱な生態系のほぼ半数に悪影響を与えたが、現在その比率は約5%にまで減少した。一方、富栄養化の影響は、現在も生態系のほぼ60%に及んでいる。2つ目の、長距離越境大気汚染条約(LRTAP)への年次報告書によると、酸性雨の主要因である硫黄酸化物(SOx)排出量は、燃料の切り替え等の政策により2012年までに84%減少したが、富栄養化の原因である窒素酸化物やアンモニア等の排出量は、減少はしたものの2012年にも11か国で国際的な規制値を超えたという。
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