欧州環境局、EU国別排出上限指令の2010年目標達成レベルでは大気汚染防止は不十分と報告
発表日:2012.10.19
欧州環境局は、2001年EU国別排出上限指令で定められた2010年の大気汚染物質削減目標の達成状況を評価した報告書を発表した。同指令は、人々の健康と環境の保護を目的として、酸性化、富栄養化、及び地上オゾン発生の原因となる4物質(二酸化硫黄、非メタン揮発性有機化合物、窒素酸化物、アンモニア)の削減を目指したもの。報告書によると、過去20年間で大幅削減が実現し、目標設定当時の科学的知見で評価すると目標はほぼ達成できた。しかし、最新の科学を用いて評価しなおすと、更なる削減が必要であることが判明したという。具体的には、大気沈着による富栄養化は依然として重大な問題であることが判明。酸性化についても、その影響が生態系によって異なることを考慮すると、欧州の多くの地域で目標は未達という。地上オゾンについては、人々の健康や農作物保護の面では目標はほぼ達成できたが、森林保護の面ではほとんどの国で未達と分析している。今後欧州委員会は、遅くとも2013年中に同指令の改正を提案し、2020年以降の目標を設定する予定。
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