（株）東芝は、「低コストアルカリ水分解システムの開発」をはじめとする水分解による水素製造への取組状況を発表した。近年、定置用燃料電池や燃料電池自動車（FCV）水素発電など、水素を利活用する場面が増えてきており、アルカリ水電解および個体高分子型水分解による水素製造システムの大規模化・低コストが求められている。今回、同社が開発した装置は、同社の保有する整流器や水素精製技術を組み合わせることで、システムの大型化とエネルギー効率の最適化に成功した。また、環境省委託事業「地域連携・低炭素水素技術実証事業」において、北海道白糠郡白糠町にある庶路ダムの小水力発電を電源として、約35Nm3/hの水素製造実証を行い、再生可能エネルギーの負荷変動への対応も確認するという。なお、同社では、FCVの普及に伴う水素ステーションなどで活用に向けて、約100Nm3/hのアルカリ水電解式の水素製造装置を開発しており、2016年度内に販売予定であるという。