環境省は、（仮称）増幌風力発電事業等7事業に係る環境影響評価準備書について、平成28年9月27日付けで経済産業大臣に対し環境大臣意見を提出した。同事業は、（株）道北エナジーが、北海道稚内市及び天塩郡豊富町において、総出力80万kW・約230基の風力発電設備を設置するもの。対象事業実施区域である北海道道北地域は、利尻礼文サロベツ国立公園、ラムサール条約湿地であるサロベツ原野、国指定鳥獣保護区及び北海道指定鳥獣保護区等の保護地域等が集中し、鳥類をはじめとする自然環境保全上、極めて重要な地域となっている。また、対象事業実施区域周辺には住居等が存在し、風力発電設備の稼働に伴う騒音による生活環境への重大な影響が懸念される。今回の環境大臣意見では、1）希少猛禽類への影響等を避ける必要がある施設についての設置取りやめ、2）渡り鳥への影響等が特に強く懸念される施設についての稼働調整、3）専門家等からなる協議会を設置し、協議会の助言を踏まえた措置の実施、等を求めている。