(独)国立環境研究所、気候変化がアジアの水稲生産量に及ぼす影響を予測
発表日:2009.06.05
(独)国立環境研究所は、多数の気候モデルによる将来気候予測を用いて、気候変化がアジアの水稲生産量に及ぼす影響を平均値および確率を用いて統計的に評価した結果を公表した。これは、IPCC第4次評価報告書に向けて世界各国の大学や研究機関が実施した最新の気候予測を網羅的に使用し、統計的アプローチによって、気候変化が及ぼす影響を定量的に明らかにしようと試みたもの。その結果、1990年代に比べ、2020年代には高い確率で水稲生産量が減少することが予測され、また2080年代には、二酸化炭素を最も多く排出するシナリオにおいて、水稲生産量の平均変化率が最も大きく減少すると予測された。これは、近未来(2020年代)の影響を軽減するための適応策を早急に検討・実施することの必要性や、長期(2080年代)の影響軽減に向けた二酸化炭素排出量削減による緩和策の検討の必要性を示唆している。また今後、作物モデルの不確実性も考慮した研究等が必須という。